ドライマンというのは
ちょっとイケメンの芸術家です
ヴィースラーという方が主人公。
任務でイケメン芸術家のドライマンの
盗聴をすることになりますが
余りにもドライマンの恋人の演技に恋して
あくまでもそのファンになってしまって
盗聴から
耳を澄ますことに変わってしまいます
84年
私は10歳でした
ベルリンの壁
そうですよね
崩れると子供ごころに思ってなかった。
確かに。
ナチスと東ドイツって
同じ印象でした。
味方しようと決意した後の主人公が
痛々しいまでにすごい。
バレたら死刑レベルですが
もう
決意したから徹底的にかばうのです。
バレた後も
ファンになった女優が死んでも
こつこつ郵便局員になって働いて
恋人もつくらないで
ひたすらただ生きてても。
ドライマンの方は新しい女性が出来たりして
華やかですが
悲しい心の中でふと質問します。
「なぜ自分は盗聴されなかったのか?」
当時の権力者は答えます
「何もかも盗聴されてたぞ」と。
ドライマンは何故自分が逮捕されなかったか
必死に突き止め始めます。
「何故盗聴されなかったのか?」
と調べるうち
されていた事実と隠してくれていた
ヴィースラーの存在を初めて知ります。
狂おしく感謝の念でたまらなくなり
彼を見に行くと郵便配達している……
でもそこでは話しかけず2年後
ある本を出版します。
「善き人のためのソナタ」という本。
気づいたヴィースラーが書店で買い求める前
何ページかめくると
「ヴィースラーへ捧ぐ」と本人には
分かる言葉が初めに……
買うとき店員に聞かれます
「プレゼント用にしますか?」
ヴィースラーは答えます。
「いいえ。これは私のためのプレゼントだから」
彼のためのソナタでした。作品そのものが。
最後のヴィースラーの晴れ晴れとした顔が眩しく
思い出すだけで泣けてくる素晴らしい作品でした。